精神障害で疲れやすい・動けないときの原因と無理のない対処法

就労支援について

「一日中ベッドから起き上がれない」「同年代は働いているのに、自分だけ何もできない」と悩んでいませんか。精神障害や精神疾患があると、心身の負担が大きくなり、強い疲れやだるさで動けなくなることがあります。この記事では、精神障害で疲れやすくなる原因、無理のない休み方、日常を少しずつ取り戻すための考え方、専門家に相談する目安を解説します。つらい状態が続く場合は、一人で抱え込まず、主治医や支援機関に相談しましょう。

精神障害になると疲れやすい理由

精神疾患があると、健康なときより疲れを感じやすくなることがあります。心身の緊張や睡眠の乱れ、薬の影響など、複数の要因が重なっている場合もあります。ここでは、疲れやすくなる主な理由を4つに分けて解説します。

脳や心が休まりにくい状態になっている

強い疲労感は、心身が休まりにくい状態と関係している場合があります。精神的な不調があると、不安や緊張が続き、休んでいるつもりでも気持ちが落ち着きにくいことがあります。

スマートフォンで複数のアプリを同時に動かしていると、バッテリーの消耗が早くなります。人の心身も、ストレスや不安への対応が続くと、休んでも疲れが取れにくくなることがあります。

これは気合いや根性の問題ではありません。心身が休息を必要としている状態だと考え、まずは自分を責めないことが大切です。

自律神経の乱れが関係している場合がある

自律神経の乱れも、体が重く感じる理由の一つになる場合があります。自律神経とは、呼吸・心拍・体温・睡眠など、体の働きを調整する神経のことです。

精神的な負担が続くと、リラックスしにくくなったり、体の緊張が抜けにくくなったりすることがあります。たとえば、以下のような状態が続く場合があります。

  • 夜になっても寝付けない
  • 動悸や息切れを感じることがある
  • 常に肩や首に力が入っている

体に力が入り続けていると、疲労がたまりやすくなることがあります。こうした状態が続く場合は、無理に我慢せず、主治医に相談しましょう。

処方薬の影響が出ている

処方薬の影響で、眠気やだるさを感じることもあります。精神科で処方される薬の中には、不安を和らげたり、気持ちを落ち着かせたりするものがあります。

一方で、薬を飲んだあとに強い眠気や疲労感が出る場合は、副作用の可能性も考えられます。生活に支障が出るほどつらい場合でも、自己判断で服薬をやめるのは避けてください。

薬の量や飲むタイミングを含め、調整が必要になることもあります。気になる症状があるときは、早めに主治医へ相談しましょう。

無意識に感情を抑え込んでいる

自分でも気づかないうちに感情を抑え込んでいることが、疲労につながる場合もあります。つらい気持ちや焦りを見せないように、心の中で無理をしていることがあるからです。

「早く治さなきゃ」「働けない自分が情けない」といった思いを、一人で抱えていませんか。つらい気持ちを抑え続けると、心がさらに疲れてしまうことがあります。

心の消耗を防ぐためにも、まずは今の気持ちを否定せず、ありのまま認めることが大切です。話せる相手がいる場合は、少しずつ言葉にしてみるのもよいでしょう。

精神障害で疲れやすいときに現れるサイン

精神障害による疲れが強くなると、日常生活の中でさまざまなサインが現れることがあります。これは怠けではなく、心身の負担が大きくなっているサインかもしれません。注意したい4つのサインについて見ていきましょう。

ベッドから起き上がれない

代表的なサインの一つは、朝になってもベッドから起き上がれない状態です。心身の負担が大きく、起き上がること自体がつらくなっている可能性があります。

頭では「起きなきゃ」と思っていても、体が重く感じて動けないことがあります。起き上がって準備をするだけでも、大きな負担に感じる場合もあります。

このような状態のときは、無理に活動量を増やそうとせず、まずは休む時間を確保しましょう。

日常の簡単な家事ができない

今まで当たり前にできていた家事ができなくなるのも、注意したいサインの一つです。家事には「手順を考える」「体を動かす」という力が必要になります。

疲労がたまっていると、その両方を行う余裕がなくなることがあります。具体的には、次のような状態です。

  • お風呂に入るのが大きな負担に感じる
  • ゴミ出しや部屋の片付けができない
  • 食事を用意する気力が湧かない

家事ができない自分を責める必要はありません。今は休むべき時期かもしれないと受け止め、できる範囲のことから考えましょう。

以前好きだった趣味を楽しめない

かつて夢中になっていた趣味に手がつかなくなることも、心の疲労を示すサインになる場合があります。趣味を楽しむにも、気持ちの余裕が必要です。

たとえば、好きだったゲームや漫画などに興味が持てなくなることがあります。趣味を楽しめない自分に対して、焦りや虚無感を覚えることもあるでしょう。

そのようなときも、自分を責める必要はありません。今は休養が必要な時期だと考え、無理に楽しもうとせず、ゆっくり過ごすことを優先しましょう。

理由もなく強い不安が消えない

はっきりとした理由がないのに、強い不安が続くこともあります。疲れが強いと、物事を前向きに考える余裕がなくなり、ネガティブな考えが止まりにくくなる場合があります。

同年代の友人と比べて、ひどく落ち込むこともあるかもしれません。不安が続く場合は、休養をとりながら主治医に相談しましょう。

つらさが強いときや、自分を傷つけたい気持ちがあるときは、早めに医療機関や相談窓口へつながることが大切です。

精神障害で疲れやすいときの無理のない休み方

疲れ切って動けないときは、無理に動こうとせず休むことが大切です。ここでは、心身を休めるための過ごし方や考え方を紹介します。できそうなものから、無理のない範囲で取り入れてみましょう。

何もできない日は休むことを優先する

何もできない日は、無理に予定をこなそうとせず、横になって休む時間を確保しましょう。休養は、心身を立て直すために必要な時間です。

食事や水分補給、服薬など最低限必要なことを除き、無理に活動量を増やそうとしなくても大丈夫です。同年代と比べて焦る気持ちや、怠けているという罪悪感が出てくることもあるかもしれません。

そのようなときこそ、自分を責めず「今は休む時期だ」と受け止めることが大切です。どうしても動けないときは、まず休むことを優先しましょう。

眠りやすい環境を整える

疲労感を少しでも和らげるためには、眠りやすい環境を整えることも大切です。睡眠の状態は、心身の休まり方に関係する場合があります。

具体的には、以下のような工夫があります。

  • 寝る前に部屋の照明を少し暗くする
  • 体に合った心地よい寝具を使う
  • 静かに過ごせる時間を作る

音楽を流す場合は、自分が落ち着ける音量や内容にしましょう。眠れない状態が続く場合は、生活習慣だけで解決しようとせず、主治医に相談することも大切です。

水分補給を少しだけ意識する

横になっている時間が多いときは、水分補給もできる範囲で意識してみましょう。水分が不足すると、だるさを感じることがあります。

起き上がって飲み物を取りに行くのがつらい場合は、枕元にペットボトルの水を置いておく方法もあります。のどが渇く前に、少しずつ飲めると安心です。

ただし、持病があり水分量の制限を受けている場合は、医師の指示に従ってください。無理のない範囲で、水分を摂る習慣を意識しましょう。

デジタル機器から離れる時間を作る

休養中は、スマートフォンなどのデジタル機器から離れる時間を少し作ってみるのも一つの方法です。画面の光や多くの情報によって、気持ちが休まりにくくなることがあります。

ずっと横になっていると、ついSNSや動画を見たくなるかもしれません。しかし、見ているだけでも頭が働き続け、かえって疲れを感じる場合があります。

完全にやめる必要はありません。寝る前だけ画面を見る時間を短くするなど、できる範囲で距離を置いてみましょう。

疲れやすい状態から日常を取り戻すステップ

十分に休養をとり、心に少し余裕が出てきたら、焦らずゆっくりと日常を取り戻す準備を始めましょう。活動量を増やすときは、大きな目標よりも小さな行動から始めることが大切です。

  • 洗顔や着替えなど、数分で終わる行動を1つ実践する
  • 毎日同じくらいの時間に起き、生活リズムの土台を作る
  • 部屋の中を数分だけ歩き、少しだけ体を動かす
  • 窓辺で静かに過ごし、無理のない範囲で日光を浴びる

日光を浴びる習慣は、生活リズムを整えるきっかけになることがあります。ただし、疲労の程度や体調によって合う方法は異なります。

できなかった日があっても、自分を責める必要はありません。小さな行動を積み重ねることが、少しずつ自信を取り戻すきっかけになります。

疲れやすい状態が続く場合の相談先

十分に休養をとっても疲れやすい状態が続く場合は、一人で抱え込まずに専門家へ相談することが大切です。ここでは、つらい状態を長引かせないための相談方法や、支援機関の頼り方について解説します。

主治医に今の状態をありのまま伝える

今の疲れやすさや動けない状態は、まず主治医にありのまま伝えましょう。医師が状態を把握することで、治療方針や薬の調整について相談しやすくなります。

診察の短い時間でうまく話せるか不安な場合は、メモを活用するのがおすすめです。

  • 一日中ベッドから起き上がれないこと
  • 薬を飲んだあとに強いだるさを感じること
  • 焦りや罪悪感でつらくなること

本音を紙に書いて渡すだけでも、医師が状況を理解しやすくなる場合があります。

カウンセリングを活用する

医師への相談に加えて、心理カウンセリングが役立つ場合もあります。焦りや罪悪感といった複雑な感情は、専門家に話すことで整理しやすくなることがあります。

休職中の不安や同年代と比べてしまう苦しみは、家族にも話しづらいことがあるかもしれません。カウンセリングでは、第三者に気持ちを整理しながら話せる場合があります。

ただし、カウンセリングの合う・合わないには個人差があります。必要に応じて、主治医や相談窓口に利用方法を確認してみましょう。

オンライン診療を利用できるか確認する

どうしても病院に行く気力や体力がないときは、オンライン診療を利用できるか、通院先に確認してみましょう。医療機関によっては、スマートフォンやパソコンを使って診察を受けられる場合があります。

オンライン診療は通院の負担を減らせる選択肢になることがあります。ただし、すべての医療機関や症状で利用できるわけではありません。

初診・再診の扱いや診療方法は医療機関によって異なるため、まずは主治医や通院先に相談しましょう。体調が急に悪化している場合は、オンラインだけで済ませず、必要に応じて対面診療や救急相談も検討してください。

生活リズムや通うことに不安がある場合は支援機関に相談する

体調に波があり、一人で生活リズムを整えるのが難しい場合は、福祉サービスや支援機関に相談する方法もあります。利用できる制度やサービスは、自治体や本人の状況によって異なります。

たとえば、自治体の障害福祉窓口、相談支援事業所、地域の保健所、精神保健福祉センターなどが相談先になる場合があります。生活リズム、通う頻度、将来の働き方などについて、支援者と一緒に考えられることもあります。

短時間から通える場所や、体調に合わせて利用できる環境が合う場合もあります。一人で決めようとせず、主治医や自治体の窓口に相談しながら、自分に合った選択肢を探していきましょう。

まとめ|精神障害で疲れやすいときは焦らず休養を優先しよう

精神障害による疲れやすさや動けなさは、怠けではなく、心身の負担が大きくなっているサインかもしれません。無理に動こうとせず、まずは睡眠・水分補給・服薬など、最低限のケアを続けながら休養を優先しましょう。

少し余裕が出てきたら、洗顔や着替え、窓辺で日光を浴びるなど、小さな行動から始めることが大切です。できない日があっても、自分を責める必要はありません。

つらい状態が続く場合や、薬の影響が気になる場合は、自己判断せず主治医に相談してください。一人で生活リズムを整えるのが難しい場合は、自治体の窓口や相談支援機関などを利用する方法もあります。無理のないペースで、今の自分に合った支援につながることを大切にしましょう。

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