障害者が選べる働き方の種類とは?手帳取得後の不安を整理する方法

就労支援について

休職して障害者手帳を取得したばかりで、「これからどう働けばいいのだろう」と不安を感じていませんか。復職するのか、転職するのか、福祉サービスを利用するのか、すぐに答えを出せなくても大丈夫です。この記事では、障害者手帳を持つ方が選べる働き方の種類と、それぞれの特徴・違いをわかりやすく解説します。自分に合う働き方を考えるための判断材料として、ぜひ参考にしてください。

障害者手帳取得後に選べる働き方の種類

障害者手帳を取得すると、一般的な就職以外にも、さまざまな働き方を検討しやすくなります。主な選択肢には、クローズ就労、オープン就労、障害者雇用枠での就職、特例子会社への就職、就労継続支援A型、就労継続支援B型、在宅就労・フリーランスなどがあります。

どの働き方が合うかは、障害の特性、体調の波、希望する収入、必要な配慮、生活状況によって異なります。まずは選択肢の全体像を知ることが、自分に合う働き方を考える第一歩です。

クローズ就労

クローズ就労とは、障害があることを職場に伝えず、一般求人へ応募して働くスタイルです。障害に関する情報を開示しないため、一般求人全体から仕事を探しやすい一方で、職場から配慮を受けにくい面があります。

メリット

  • 一般求人全体から仕事を探せるため、選択肢が広がりやすい
  • 給与水準や職種の幅を重視して仕事を選びやすい
  • 障害について職場に伝えず、プライバシーを保ちやすい

デメリット

  • 体調が悪いときに配慮をお願いしにくい
  • 無理を重ねると、心身の負担が大きくなる場合がある
  • 障害を伝えていないこと自体が精神的な負担になることがある

体調の波が少なく、必要な配慮が少ない方には選択肢のひとつになります。ただし、通院や勤務時間の調整が必要な方は、無理なく続けられるかを慎重に考えることが大切です。

オープン就労

オープン就労とは、障害があることを職場に伝えたうえで働くスタイルです。障害者雇用枠で働く場合だけでなく、一般枠で応募しながら障害を開示するケースも含まれます。

メリット

  • 体調や障害特性に応じた配慮を相談しやすい
  • 勤務時間や業務内容について、事前に話し合いやすい
  • 支援機関と連携している職場では、定着支援を受けられる場合がある

デメリット

  • 障害を開示することに心理的な抵抗を感じる場合がある
  • 職場によって、障害への理解や支援体制に差がある
  • 応募先によっては、希望する職種や条件が限られることがある

オープン就労は、配慮を受けながら安定して働きたい方にとって有力な選択肢です。就職前には、どのような配慮が可能か、業務内容や勤務時間を具体的に確認しておくと安心です。

障害者雇用枠での就職

障害者雇用枠とは、企業などが障害者雇用促進法に基づいて設ける、障害のある方向けの採用枠です。障害者雇用枠に応募する場合は、原則として身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳、療育手帳などの障害者手帳が必要です。

メリット

  • 障害特性に応じた業務調整や配慮を相談しやすい
  • 勤務時間や業務内容について、事前に確認しやすい
  • 職場定着を意識した支援を受けられる場合がある

デメリット

  • 一般求人と比べて、職種や求人数が限られる場合がある
  • 仕事内容によっては、給与水準が希望と合わないことがある
  • 配慮の内容は、企業や職場によって差がある

体調管理を大切にしながら企業で働きたい方にとって、障害者雇用枠は検討しやすい選択肢です。求人票だけで判断せず、面接や職場見学の機会に、業務内容や配慮の範囲を確認することが大切です。

特例子会社への就職

特例子会社とは、障害者雇用を進めるために企業グループが設立する子会社のことです。一定の要件を満たすことで、親会社やグループ会社の障害者雇用率に算定できる仕組みがあります。

メリット

  • 障害のある方が働くことを前提に、職場環境が整えられている場合がある
  • 業務内容や支援体制が整理されている職場もある
  • 大企業グループの一員として働けるケースがある

デメリット

  • 求人数が限られる場合がある
  • 勤務地や職種が限定されることがある
  • 業務内容が自分の希望やスキルと合わない場合もある

安定した環境で働きたい方にとって、特例子会社は魅力的な選択肢のひとつです。ただし、会社によって仕事内容や支援体制は異なるため、事前の情報収集が欠かせません。

就労継続支援A型

就労継続支援A型は、一般企業で働くことが難しい方のうち、雇用契約に基づいて働くことが可能な方に、就労の機会や生産活動の機会を提供する障害福祉サービスです。利用者は事業所と雇用契約を結び、原則として最低賃金以上の賃金を受け取りながら働きます。

メリット

  • 雇用契約を結んで働くため、賃金を得ながら就労経験を積める
  • 支援員のサポートを受けながら働ける
  • 働くリズムを整えながら、一般就労を目指せる場合がある

デメリット

  • 勤務日数や勤務時間は事業所によって異なる
  • 仕事内容や支援体制に差がある
  • 雇用契約があるため、一定の出勤や業務遂行が求められる

体調に不安がありながらも、雇用契約のある環境で働きたい方に向いている場合があります。利用できる条件や勤務時間は自治体や事業所、本人の状況によって異なるため、相談支援専門員や自治体窓口に確認しましょう。

就労継続支援B型

就労継続支援B型は、一般企業で働くことが難しく、雇用契約に基づく就労も難しい方に、就労の機会や生産活動の機会を提供する障害福祉サービスです。雇用契約は結ばず、作業に応じて工賃が支払われます。

メリット

  • 自分の体調やペースに合わせて通いやすい
  • 生活リズムを整えるきっかけになりやすい
  • 就労や社会参加に向けた第一歩として利用しやすい
  • 利用料は所得に応じた負担上限があり、負担が0円または低額になる場合がある

デメリット

  • 雇用契約がないため、賃金ではなく工賃として支払われる
  • 平均工賃は一般就労やA型の賃金と比べると低い傾向がある
  • 工賃や作業内容、通所日数は事業所によって差がある

厚生労働省の令和6年度実績では、就労継続支援B型事業所の平均工賃月額は24,141円です。ただし、実際の工賃は事業所や作業内容、通所日数によって異なります。B型は、収入だけでなく、生活リズムの安定や社会参加、次の働き方に向けた準備の場として活用されることもあります。

在宅就労・フリーランス

在宅就労やフリーランスは、自宅を拠点に仕事を受ける働き方です。Webライティング、データ入力、デザイン、プログラミング、オンライン事務など、スキルや経験に応じて仕事を選べます。

メリット

  • 通勤の負担を減らしやすい
  • 体調に合わせて仕事量を調整しやすい
  • スキルを高めることで、収入の幅が広がる場合がある

デメリット

  • 収入が不安定になりやすい
  • 仕事の獲得や納期管理を自分で行う必要がある
  • 孤立しやすく、相談相手を見つけにくい場合がある

在宅就労やフリーランスは自由度が高い一方で、自己管理や営業、手続きの負担もあります。体調が安定してから少しずつ始める、支援機関に相談しながら準備するなど、無理のない進め方を考えることが大切です。

クローズ就労とオープン就労の違い

クローズ就労とオープン就労の大きな違いは、職場に障害のことを伝えるかどうかです。どちらが正しいというものではなく、体調、必要な配慮、収入への希望、働くうえでの安心感によって合う働き方は変わります。

クローズ就労のメリット

クローズ就労のメリットは、一般求人全体から仕事を探しやすいことです。職種や給与、勤務地などの選択肢が広がりやすく、障害について職場に伝えずに働けるため、プライバシーを守りたい方には安心感があります。

クローズ就労の注意点

一方で、体調が悪くなったときや業務量を調整したいときに、職場へ事情を説明しにくい場合があります。必要な配慮を受けにくいため、無理を重ねてしまうこともあります。通院や勤務時間の調整が必要な方は、長く続けられるかを事前に考えておくことが重要です。

オープン就労のメリット

オープン就労では、障害に関する配慮を職場に相談しやすくなります。たとえば、勤務時間、業務量、休憩の取り方、通院への配慮などを事前に話し合える場合があります。職場や支援機関と連携できれば、就職後の不安を軽減しやすくなります。

オープン就労の注意点

障害を開示することに不安を感じる方もいます。また、職場によって障害への理解や配慮の内容には差があります。求人票や面接だけで判断せず、可能であれば職場見学や支援機関からの情報も参考にしましょう。

自分に合う働き方を選ぶための3つの判断基準

働き方の種類を知っても、「どれを選べばよいかわからない」と感じる方は少なくありません。ここでは、自分に合う働き方を考えるための判断基準を3つ紹介します。

自分の障害特性と体調の波を把握する

まず大切なのは、自分の障害特性や体調の波を知ることです。「午前中は調子が出にくい」「人が多い場所が苦手」「長時間勤務が続くと疲れやすい」など、自分の傾向を整理してみましょう。

ひとりで考えるのが難しい場合は、主治医、相談支援専門員、支援機関の担当者と一緒に整理する方法もあります。自分を責めるのではなく、今の状態に合う働き方を探すことが大切です。

譲れない労働条件を整理する

勤務時間、週の勤務日数、通勤距離、在宅勤務の可否、仕事内容、収入など、自分にとって大切な条件を書き出してみましょう。そのうえで、「必ず必要な条件」と「できれば希望したい条件」に分けると、働き方を選びやすくなります。

すべての条件を満たす職場を見つけるのは難しい場合もあります。優先順位を決めておくと、求人選びや支援機関への相談が進めやすくなります。

収入と支援のバランスを考える

収入が高い働き方を選んでも、体調を崩して長く続けられなければ負担が大きくなります。反対に、収入は少なくても支援を受けながら生活リズムを整えることが、将来の安定につながる場合もあります。

就労継続支援A型・B型、障害者雇用、就労移行支援などは、それぞれ収入や支援の内容が異なります。傷病手当金や障害年金を受けている方は、働き方によって収入や手続きに影響が出る場合があるため、年金事務所や自治体、支援機関に確認しながら考えましょう。

障害者の働き方を選ぶ前に知っておきたい法定雇用率

法定雇用率とは、企業や国、地方公共団体などが、一定割合以上の障害者を雇用するよう定められている制度です。民間企業の法定雇用率は、2024年4月から2.5%となっており、2026年7月から2.7%へ引き上げられる予定です。

この制度により、一定規模以上の企業では障害者雇用に取り組む必要があります。障害者雇用枠の求人は、こうした社会的な仕組みの中で設けられているものです。

ただし、就労継続支援A型・B型は、企業の障害者雇用枠とは異なる障害福祉サービスです。A型は雇用契約を結ぶ福祉サービス、B型は雇用契約を結ばずに就労機会や生産活動の機会を提供する福祉サービスであり、一般企業の雇用とは仕組みが異なります。

働き方で迷ったときに頼れる相談窓口と支援サービス

「どこに相談すればよいかわからない」と感じたときは、ひとりで抱え込まず、専門の窓口を利用することが大切です。ここでは、働き方を考えるときに相談しやすい主な支援先を紹介します。

就労移行支援

就労移行支援は、一般企業への就職を目指す障害のある方に対して、就職に必要な知識や能力を身につけるための訓練を行う障害福祉サービスです。履歴書の作成、面接練習、職場実習、就職後の定着支援などを受けられる場合があります。

利用期間は原則として2年間です。ただし、利用の可否や期間、利用料は本人の状況や自治体の判断によって異なるため、自治体窓口や相談支援専門員に確認しましょう。

ハローワーク

ハローワークには、障害のある方向けの相談窓口が設けられている場合があります。障害者雇用枠の求人情報を探したり、就職活動の進め方について相談したりできます。

相談時には、障害者手帳や主治医の意見書、職務経歴書などがあると話が進めやすい場合があります。必要な持ち物は地域や相談内容によって異なるため、事前に最寄りのハローワークへ確認すると安心です。

障害者就業・生活支援センター

障害者就業・生活支援センターは、就業面と生活面の両方を一体的に支援する機関です。就職に向けた相談だけでなく、職場定着、生活習慣、金銭管理、健康管理などの相談に対応している場合があります。

仕事と生活の両方に不安がある方や、働き続けるための環境を整えたい方にとって、相談しやすい窓口のひとつです。利用条件や相談方法は地域によって異なるため、近くのセンターに確認しましょう。

地域障害者職業センター

地域障害者職業センターは、障害のある方の職業リハビリテーションを専門的に行う機関です。職業評価、職場復帰に向けた支援、職場適応に関する助言などを受けられる場合があります。

休職後の復職を目指している方や、自分に合う仕事の方向性を専門的に整理したい方は、ハローワークや主治医、支援機関と相談しながら利用を検討してみましょう。

手帳取得後に働き方を見直すときの最初の一歩

障害者手帳を取得したあと、「何から始めればよいかわからない」と感じる方は少なくありません。働き方を見直すときは、いきなり就職先を決めようとせず、情報収集や相談から始める方法もあります。

情報収集から始める

まずは、どのような働き方があるのかを知ることから始めてみましょう。障害者雇用枠、就労継続支援A型・B型、就労移行支援、在宅就労などを比較すると、自分に合いそうな方向性が少しずつ見えてきます。

情報を集めるときは、事業所や企業の説明だけでなく、自治体や厚生労働省などの公的情報も確認すると安心です。制度や利用条件は地域や本人の状況によって異なるため、最新情報を確認しながら進めましょう。

支援機関に相談する

ひとりで考えていると不安が大きくなる場合は、支援機関に相談することも大切です。就労移行支援事業所、ハローワーク、障害者就業・生活支援センター、自治体の福祉窓口などでは、働き方や利用できる制度について相談できます。

相談することで、「今すぐ一般就労を目指すのか」「A型やB型で働くリズムを整えるのか」「まず体調の安定を優先するのか」など、次に考えるべきことが整理しやすくなります。

まとめ|障害者の働き方の種類を知り、自分に合う一歩を考えよう

障害者手帳を取得したあとの働き方には、クローズ就労、オープン就労、障害者雇用枠、特例子会社、就労継続支援A型・B型、在宅就労など、さまざまな選択肢があります。大切なのは、収入だけで判断するのではなく、自分の体調、障害特性、必要な配慮、生活状況に合う働き方を考えることです。

すぐに答えを出す必要はありません。まずは情報を集めたり、支援機関に相談したりしながら、無理のない範囲で次の一歩を考えてみましょう。自分に合う働き方を整理することで、これからのキャリアを少しずつ描きやすくなります。

福岡市博多区の 就労継続支援A型・B型事業所 「パラスポ」のご案内

当事業所では、「無理のない通所」を第一に考え、 一人ひとりの体調や目標に合わせたサポートを行っています。

  • 海が見えるリラックスできるロケーション
  • 社会復帰からの一般就労をしっかりサポート
  • 通所も安心の「送迎あり」(※B型利用者のみ)
  • 美味しい「昼食提供あり」(※条件あり)

選べる作業内容

【A型】の仕事内容
  • AIを使用したWEBコンテンツ制作
  • PCデータ入力
  • リラクゼーションセラピスト
  • 和菓子などの販売、接客業務
  • 食器洗浄などの軽作業
【B型】の仕事内容
  • PCデータ入力
  • 室内で座って行える軽作業

「自分に合っているか不安…」という方も、まずは事業所の雰囲気を見学してみませんか?
ご家族や支援機関の方と同伴での見学・体験も大歓迎です。

就労継続支援A型・B型事業所 パラスポ
〒812-0021
福岡市博多区築港本町13-6
ベイサイドプレイス博多C館3F
Mail:paraspoism002@gmail.com

コメント

タイトルとURLをコピーしました