精神障害がある方の生活リズム改善と就労支援の選び方

就労支援について

「毎日同じ時間に起きられない」「働きたい気持ちはあるのに、体調がついてこない」と悩んでいませんか。

精神障害がある方のなかには、症状、服薬、ストレス、生活環境などの影響により、睡眠や活動のリズムが乱れる方がいます。ただし、現れ方や原因は人によって異なり、生活リズムの乱れだけで病状を判断することはできません。

生活リズムを整えるときは、いきなり大きく変えようとせず、現在の体調に合う小さな取り組みから始めることが大切です。また、生活が完全に安定するまで就労支援への相談を待つ必要はありません。生活を整えている途中の段階から、主治医や支援機関と今後の働き方を考えることもできます。

この記事では、生活リズムが乱れる背景、無理のない整え方、就労選択支援や就労移行支援、就労継続支援A型・B型などの違いを解説します。

  1. 精神障害がある方の生活リズムが乱れる主な理由
    1. 症状によって睡眠や活動量が変化することがある
    2. 薬の影響で眠気やだるさが出ることがある
    3. ストレスや環境の変化が影響することがある
  2. 就労に向けて生活リズムを確認する理由
    1. 症状が完全になくなるまで待つ必要はない
    2. 生活リズムは就労準備の一部
  3. 精神障害がある方の生活リズムの整え方
    1. 現在の睡眠と活動を記録する
    2. 起床時間と朝の光を意識する
    3. 日中に無理のない活動を取り入れる
    4. 食事の時間を大きくずらしすぎない
    5. 夜間の明るい光やスマートフォンを見直す
    6. 短時間の外出や家事から活動を増やす
  4. 体調の波があっても続けやすくする工夫
    1. 調子の悪い日の最低限を決める
    2. 体調の変化を簡単に記録する
    3. 医療機関への相談を優先したい状態
  5. 生活リズムを整える段階から検討できる就労支援
    1. 就労選択支援
    2. 就労移行支援
    3. 就労継続支援A型
    4. 就労継続支援B型
    5. ハローワークの障害者専門窓口
    6. 地域障害者職業センター
  6. 自分に合った就労支援の選び方
    1. 現在の体調と活動可能な時間を確認する
    2. 支援内容と医療機関との連携を確認する
    3. 見学や体験で通いやすさを確認する
    4. 利用料や通所にかかる費用を確認する
  7. 生活リズムを整えながら就労を目指すケース例
    1. 短時間の通所から活動の習慣をつくったケース
    2. B型の利用を通じて得意な作業を整理したケース
  8. 精神障害のある方が生活リズムを整えながら就労を目指すために
    1. 福岡市博多区の 就労継続支援A型・B型事業所 「パラスポ」のご案内
      1. 選べる作業内容

精神障害がある方の生活リズムが乱れる主な理由

生活リズムの乱れは、意志の弱さや怠けによって起こるとは限りません。症状、服薬の影響、ストレス、活動量の変化など、複数の要因が関係している場合があります。

症状によって睡眠や活動量が変化することがある

うつ病、統合失調症、双極性障害などでは、症状の一つとして寝つきにくさ、途中で目が覚める、朝早く目が覚める、長時間眠るといった変化が生じることがあります。

双極性障害では、気分が高揚している時期に睡眠時間が極端に短くなったり、反対に気分が落ち込んでいる時期に活動量が低下したりする場合があります。ただし、症状の現れ方は一人ひとり異なります。

普段より睡眠が大幅に少ないのに疲れを感じない、活動や会話が急に増えた、衝動的な行動が目立つといった変化がある場合は、生活習慣だけで対応しようとせず、早めに主治医へ相談することが重要です。

薬の影響で眠気やだるさが出ることがある

精神科で処方される薬のなかには、副作用として眠気やだるさが現れるものがあります。ただし、副作用の有無や程度は、薬の種類、量、服用する時間、本人の体質などによって異なります。

日中の生活に支障が出るほど眠い場合は、薬の名前、服用時間、眠気が強くなる時間帯などを記録し、医師や薬剤師に伝えましょう。薬の量や種類、服用時間を自己判断で変更したり、中止したりすることは避けてください。

ストレスや環境の変化が影響することがある

人との関わり、外出、予定の変更、騒音や光などの環境が負担となり、帰宅後や翌日に疲れが強く出る場合があります。

負担を感じる場面は人によって異なります。「どのような予定のあとに疲れやすいか」「何日休むと戻りやすいか」を記録すると、自分に合う活動量や休み方を考えやすくなります。

就労に向けて生活リズムを確認する理由

生活リズムは、働き続けるための要素の一つです。ただし、決まった時間に毎日起きられなければ働けないという意味ではありません。

大切なのは、現在どの程度の活動を続けられるか、休息がどのくらい必要か、体調が崩れたときにどのように立て直せるかを把握することです。

症状が完全になくなるまで待つ必要はない

精神障害の症状には波があるため、「完全に症状がなくなったら働く」と考えると、動き出す時期を決めにくくなることがあります。

主治医と相談しながら、短時間の外出、支援機関への相談、週に数回の通所など、現在の状態で可能な活動から始める方法もあります。就労支援の利用が適切かどうかは、本人の希望や体調、市区町村の支給決定、各サービスの対象要件などを踏まえて判断されます。

生活リズムは就労準備の一部

起床、食事、外出、休息などの時間をある程度把握できると、自分に合う勤務時間や通所日数を考えやすくなります。

生活リズムを記録することは、主治医や支援者へ体調を説明するときにも役立ちます。生活を完璧に整えることよりも、自分の状態や変化を把握できることが重要です。

精神障害がある方の生活リズムの整え方

生活リズムを整える方法に、すべての人へ共通する正解はありません。無理に複数の習慣を変えず、取り組めそうなものを一つ選びましょう。

現在の睡眠と活動を記録する

まずは、起床時間、就寝時間、昼寝、食事、外出、服薬、気分などを簡単に記録します。正確な時刻を書くことが負担になる場合は、「午前」「午後」「夕方」など大まかな記録でも構いません。

記録は生活を評価するためではなく、体調の傾向を知るために行います。記録自体が負担になる場合は、毎日続ける必要はありません。

起床時間と朝の光を意識する

朝から日中に光を浴びることは、体内時計を調整し、睡眠と覚醒のリズムを整える助けになるとされています。起きたらカーテンを開ける、窓際で過ごす、短時間だけ外へ出るなど、できる方法から始めましょう。

ただし、ほとんど眠れていない日や強い体調不良がある日に、無理をして起床時間を固定する必要はありません。睡眠不足が続く場合や、急激な睡眠時間の変化がある場合は、主治医に相談しながら調整してください。

日中に無理のない活動を取り入れる

散歩、ストレッチ、掃除などの軽い活動は、気分転換や夜の睡眠に役立つことがあります。時間や回数に決まりはなく、その日の体調に合わせることが大切です。

外出が難しい日は、椅子に座ったまま体を動かす、窓際まで移動するなど、小さな活動でも構いません。活動後に強く疲れる場合は、時間や内容を減らして調整しましょう。

食事の時間を大きくずらしすぎない

食事の時間をある程度決めておくと、一日の予定を組み立てやすくなります。朝に食欲がない場合は、無理に量を増やすのではなく、食べやすいものを少量から試す方法があります。

食事の時間だけでなく、栄養内容や服薬との関係にも配慮が必要です。食欲不振が続く場合や、薬との飲み合わせが気になる場合は、医師、薬剤師、管理栄養士などへ相談してください。

夜間の明るい光やスマートフォンを見直す

就寝前に明るい照明やスマートフォンの画面を長時間見ると、寝つきに影響する場合があります。就寝前は画面の明るさを下げる、使用時間を短くする、寝床へ端末を持ち込まないなど、取り入れやすい方法を選びましょう。

厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」でも、日中に光を浴びることや、寝室にスマートフォンなどを持ち込まず暗い環境をつくることが紹介されています。

厚生労働省「睡眠対策」

短時間の外出や家事から活動を増やす

外出や通所に不安がある場合は、近所へ出る、郵便物を取りに行く、洗い物をするなど、短時間で終わる活動から始める方法があります。

活動量を増やすこと自体を目標にせず、活動したあとの疲れ方や回復に必要な時間も確認しましょう。翌日まで強い疲れが残る場合は、活動量が多すぎる可能性があります。

体調の波があっても続けやすくする工夫

生活リズムは、一度整えれば崩れないものではありません。体調や季節、予定の変化によって乱れることもあります。崩れたことを失敗と考えず、戻し方をあらかじめ決めておくことが大切です。

調子の悪い日の最低限を決める

調子が悪い日に行うことを、次のように少数に絞っておく方法があります。

  • カーテンを開ける
  • 水分をとる
  • 体調を一言だけ記録する

すべて行う必要はありません。体調が悪い日に休むことも、状態を整えるための選択肢です。服薬については自己判断で変更や中止をせず、医師の指示に従ってください。

体調の変化を簡単に記録する

起床時間、睡眠時間、外出、気分などを記録すると、体調が崩れる前の傾向に気づける場合があります。

記録は主治医や支援者と共有することもできます。服薬については、支援者が薬の内容を判断するのではなく、飲み忘れや副作用と思われる変化を記録し、医師や薬剤師へ伝えるために活用します。

医療機関への相談を優先したい状態

次のような状態がある場合は、生活習慣だけで対応しようとせず、主治医や医療機関へ相談しましょう。

  • 眠れない状態や過度に眠る状態が続いている
  • 普段より睡眠が極端に少ないのに活動量が増えている
  • 薬を飲んだあとに強い眠気やだるさが続く
  • 食事や水分を十分にとれない
  • 日常生活を保つことが難しくなっている
  • 自分を傷つけたい気持ちがある

緊急性が高いと感じる場合は、予約日を待たず、医療機関や地域の相談窓口へ連絡してください。

生活リズムを整える段階から検討できる就労支援

就労支援は、生活リズムが完全に安定した方だけが利用するものではありません。現在の体調や希望に応じて、働き方を整理したり、通所を通じて活動の習慣をつくったりする方法があります。

障害福祉サービスの利用には、市区町村への申請や支給決定が必要です。対象要件や手続きは本人の状況によって異なるため、自治体の障害福祉窓口や相談支援事業所などで確認しましょう。

就労選択支援

就労選択支援は、本人が自分に合う就労先や働き方を選べるように、希望、得意なこと、苦手なこと、必要な配慮などを整理する障害福祉サービスです。

実際の作業や面談などを通じて状態を確認し、一般就労、就労移行支援、就労継続支援A型・B型などの選択を考えます。利用できる事業所や手続きは地域によって異なるため、市区町村へ確認が必要です。

就労移行支援

就労移行支援は、一般企業などへの就職を目指す方に、就労に必要な知識や能力を身につけるための訓練、求職活動、職場探し、就職後の定着に向けた支援などを行う障害福祉サービスです。

プログラムや通所日数は事業所によって異なります。標準利用期間は2年間ですが、必要性が認められた場合は、市区町村の判断により利用期間を更新できることがあります。

就労継続支援A型

就労継続支援A型は、一般企業などで働くことが難しいものの、雇用契約に基づいて働くことが可能な方を対象とする障害福祉サービスです。

事業所と雇用契約を結ぶため、原則として最低賃金法などの労働関係法令が適用され、賃金が支払われます。勤務日数、労働時間、仕事内容、採用条件などは事業所ごとに異なります。

就労継続支援B型

就労継続支援B型は、一般企業での雇用や、雇用契約に基づく就労が難しい方に、就労や生産活動の機会を提供する障害福祉サービスです。

雇用契約は結ばず、作業に応じて工賃が支払われます。通所日数や時間を柔軟に相談できる事業所もありますが、対応できる範囲は事業所や個別支援計画によって異なります。

B型からA型や一般就労などを目指す方もいますが、必ず段階的に移行しなければならないわけではありません。本人の希望や体調に合う利用方法を考えることが大切です。

ハローワークの障害者専門窓口

ハローワークでは、障害のある方を対象とした職業相談、求人紹介、応募書類の作成支援、面接への同行などを行っています。

障害者手帳を持っていない方でも、専門窓口へ相談できる場合があります。ただし、求職登録時に主治医の意見書などを求められる場合や、求人ごとに応募条件が設けられている場合があるため、利用するハローワークへ確認してください。

地域障害者職業センター

地域障害者職業センターでは、職業相談や職業評価、職業準備支援、ジョブコーチ支援、職場復帰支援などを行っています。

相談や支援は原則無料ですが、予約が必要です。また、職業紹介そのものは行っていないため、求人紹介を希望する場合はハローワークなどと連携して進めます。

厚生労働省「障害者の就労支援対策の状況」

自分に合った就労支援の選び方

現在の体調と活動可能な時間を確認する

就労支援を選ぶときは、理想の通所日数ではなく、現在無理なく続けられそうな日数や時間を考えます。

次のような点を整理しておくと、支援者へ状態を伝えやすくなります。

  • 週に何日程度なら外出できそうか
  • 午前と午後のどちらが活動しやすいか
  • 何時間活動すると疲れが強くなるか
  • 一人で通えるか、同行支援が必要か
  • 静かな環境や休憩場所などの配慮が必要か

支援内容と医療機関との連携を確認する

生活面の相談、体調記録、通院への配慮、医療機関との情報共有などに対応しているか確認しましょう。

事業所のスタッフは、服薬状況を記録したり、医療機関への相談を支えたりすることはできますが、薬の量や飲み方を医学的に判断することはできません。薬に関する判断は、医師や薬剤師へ相談する必要があります。

見学や体験で通いやすさを確認する

見学では、スタッフの説明、作業内容、音や人の多さ、休憩場所、通所経路などを確認します。見学や体験の実施方法は事業所によって異なり、正式な体験利用に手続きが必要な場合もあります。

一つの事業所だけで決めず、複数を比較する方法もあります。見学時に緊張して判断しにくい場合は、家族や支援者に同行してもらうことも検討しましょう。

利用料や通所にかかる費用を確認する

障害福祉サービスの自己負担には、所得区分に応じた月額上限があります。市町村民税非課税世帯などでは、自己負担が0円となる場合があります。

一方で、交通費、昼食代、教材費などが別に必要となる場合があります。利用前に、サービス利用料以外の費用も確認しておきましょう。

厚生労働省「障害者の利用者負担」

生活リズムを整えながら就労を目指すケース例

ここで紹介する内容は、複数の相談例をもとに構成した架空のケースです。特定の個人の体験談ではなく、同じ経過や結果を保証するものではありません。

短時間の通所から活動の習慣をつくったケース

昼夜逆転が続き、外出する機会が少なくなっていた方が、主治医と相談しながら起床時間と体調を記録しました。

最初から毎日通うことは目指さず、支援機関への短時間の相談から始め、その後、週に数回の通所を試しました。疲れが強い週は日数を減らし、支援者と活動量を調整しながら、自分が続けやすい時間帯を確認していきました。

B型の利用を通じて得意な作業を整理したケース

長時間の勤務に不安があった方が、就労継続支援B型で複数の作業を経験し、集中しやすい作業や疲れやすい環境を整理しました。

その記録をもとに支援者や主治医と相談し、本人が希望する働き方を検討しました。一般就労を目指すか、福祉サービスの利用を続けるかは、本人の希望や体調によって異なります。

精神障害のある方が生活リズムを整えながら就労を目指すために

精神障害がある方の生活リズムは、症状、服薬、ストレス、生活環境などの影響を受ける場合があります。乱れているからといって、本人の意志が弱いとは限りません。

生活リズムを整えるときは、現在の睡眠や活動を記録し、朝の光、無理のない活動、食事、夜間の光環境など、取り組めそうなことを一つずつ試しましょう。体調が悪い日は休み、睡眠や気分に大きな変化がある場合は医療機関へ相談することが大切です。

就労支援は、生活が完全に安定してからでなければ相談できないものではありません。就労選択支援、就労移行支援、就労継続支援A型・B型、ハローワーク、地域障害者職業センターなど、それぞれの役割を確認し、現在の状態と希望に合う支援を検討しましょう。

働き方や支援の選択に迷う場合は、一人で結論を出そうとせず、主治医、自治体の障害福祉窓口、相談支援専門員などと情報を整理しながら進めることが大切です。

福岡市博多区の 就労継続支援A型・B型事業所 「パラスポ」のご案内

当事業所では、「無理のない通所」を第一に考え、 一人ひとりの体調や目標に合わせたサポートを行っています。

  • ✓ 海が見えるリラックスできるロケーション
  • ✓ 社会復帰からの一般就労をしっかりサポート
  • ✓ 通所も安心の「送迎あり」(※B型利用者のみ)
  • ✓ 美味しい「昼食提供あり」(※条件あり)

選べる作業内容

【A型】の仕事内容
  • AIを使用したWEBコンテンツ制作
  • PCデータ入力
  • リラクゼーションセラピスト
  • 和菓子などの販売、接客業務
  • 食器洗浄などの軽作業
【B型】の仕事内容
  • PCデータ入力
  • 室内で座って行える軽作業

「自分に合っているか不安…」という方も、まずは事業所の雰囲気を見学してみませんか?
ご家族や支援機関の方と同伴での見学・体験も大歓迎です。

就労継続支援A型・B型事業所 パラスポ
〒812-0021
福岡市博多区築港本町13-6
ベイサイドプレイス博多C館3F
Mail:paraspoism002@gmail.com

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