うつ病で休職していると、「やることがない」「この時間をどう過ごせばよいのだろう」と不安になることがあります。仕事を休んでいることへの焦りや、何もできていないような罪悪感を抱く方もいるでしょう。
ただし、「暇だと感じること」だけで、うつ病が回復しているかどうかを判断することはできません。少しずつ活動への意欲が戻ってきた可能性もありますが、不安や落ち着かなさが影響している場合もあります。
休職中の過ごし方は、症状や回復段階、服薬状況、生活環境によって異なります。主治医の指示を優先しながら、その日の体調に合った過ごし方を選ぶことが大切です。
「やることがない」と感じることは回復のサインなのか
症状が強い時期には、起き上がることや身の回りのことをするだけでも大きな負担になる場合があります。その状態から少しずつ気力が戻り、「何かしたい」「暇だ」と感じるようになることもあります。
一方で、暇を感じる背景には、焦り、不安、孤独感、落ち着かなさなどが隠れている場合もあります。そのため、暇を感じたことだけを理由に「もう回復した」「復職できる」と判断するのは避けましょう。
回復の状態を考えるときは、次のような点も含めて確認します。
- 睡眠の時間帯が大きく乱れていないか
- 食事や水分を取れているか
- 身の回りのことを無理なくできるか
- 本や動画などに短時間でも集中できるか
- 活動した疲れが翌日まで強く残らないか
- 気分の落ち込みや不安が強くなっていないか
自分では判断しにくいため、通院時に生活の様子を主治医へ伝え、活動を増やしてよい段階か相談することが大切です。
何もしない時間に罪悪感を持たなくてもよい
うつ病の治療では、心身を休ませることが重要です。特に症状が強い時期は、予定を詰め込んだり、無理に気分転換をしたりするよりも、安心して休める環境を整えることが優先されます。
「何か役に立つことをしなければ」と考える必要はありません。横になる、静かに過ごす、音楽を流すなど、そのときに負担が少ない方法で過ごして構いません。
ただし、回復の段階によっては、少しずつ活動を増やすことが治療の一部になる場合もあります。休み続けるべきか、活動を始めるべきかは、主治医と相談しながら判断しましょう。
うつ病の休職中に慎重にしたいこと
退職や転職などの大きな決断
うつ病では、集中力や判断力が低下したり、物事を否定的に捉えやすくなったりすることがあります。
退職、転職、離婚、引っ越しなど、生活に大きな影響を与える決断は、可能であれば症状が落ち着いてから検討しましょう。すぐに判断する必要がある場合は、一人で決めず、主治医、家族、会社の担当者などに相談することが大切です。
調子のよい日に活動を急に増やすこと
少し調子がよい日に、家事や外出、運動などをまとめて行うと、翌日以降に強い疲れが出ることがあります。
うつ病の回復は、毎日一定に進むとは限りません。調子のよい日と悪い日を行き来する場合もあるため、活動量は少しずつ増やしましょう。
活動した内容と翌日の体調を簡単に記録しておくと、自分に合った活動量を考えやすくなります。
自己判断で通院や服薬を中断すること
体調がよくなってきても、自己判断で通院をやめたり、薬の量を変えたりするのは避けましょう。薬の変更や中止を希望する場合は、必ず主治医に相談してください。
生活リズムを無理に整えようとすること
睡眠や食事のリズムが大きく乱れると、心身の調子に影響する場合があります。一方で、症状が強い時期に無理やり早起きを続けると、負担になることもあります。
まずは主治医の方針に従い、可能であれば起床時刻や食事の時間を大きくずらしすぎないことから始めましょう。完璧な生活を目指す必要はありません。
SNSで他人と比べ続けること
休職中にSNSを見ると、働いている人や充実しているように見える人と自分を比べ、落ち込みが強くなる場合があります。
見ることでつらくなる場合は、通知を切る、利用時間を短くする、一時的にアプリを閉じるなど、距離を置く方法を試してみましょう。
うつ病の回復段階に応じた過ごし方
ここでは分かりやすくするため、休職中の経過を「休養を優先する時期」「少しずつ活動を戻す時期」「復職を準備する時期」の3つに分けて説明します。
ただし、これは診断上の正式な分類ではありません。段階を行き来することもあり、経過には個人差があります。
休養を優先する時期
気分の落ち込みや疲労感が強く、起き上がることや食事を取ることにも負担を感じる時期は、治療と休養を優先します。
読書、動画、運動などが負担になる場合は、無理に行う必要はありません。安心して休める環境を整え、処方された薬がある場合は指示どおりに服用しましょう。
眠れない、食事や水分が取れない、身の回りのことがほとんどできないなどの状態が続く場合は、早めに主治医へ伝えてください。
少しずつ活動を戻す時期
体調が比較的安定し、少し何かをしたいと感じるようになったら、負担の少ない活動から試します。
- 好きな音楽やラジオを短時間聴く
- マンガや短い動画を見る
- 洗顔や着替えをする
- 簡単な食事を用意する
- ベランダや玄関先で外の空気に触れる
- 短時間だけ近所を歩く
「毎日必ず行う」と決める必要はありません。途中で疲れたらやめ、翌日の体調も確認しましょう。
復職を準備する時期
復職準備は、単に気分がよい日が増えたという理由だけで始めるものではありません。
一般的には、睡眠と覚醒のリズム、日中の眠気、注意力や集中力、安全に通勤できる体力、活動後の疲労などを確認します。
主治医が復職可能と判断した場合でも、実際の業務を継続できるかは別に確認が必要です。会社の人事・労務担当者や産業医などと相談し、仕事内容や勤務時間、必要な配慮を含めて復職計画を立てます。
休職中にやることがないときの過ごし方
負担の少ない娯楽を選ぶ
音楽、ラジオ、マンガ、短い動画などは、体調によっては気分転換になります。
ただし、見たり聞いたりすることがつらい日は、無理に続ける必要はありません。「回復のために何かをしなければ」と考えず、負担が少ないかどうかを基準に選びましょう。
朝は室内に光を取り入れる
朝の光は、体内時計を調整し、睡眠と覚醒のリズムを整えるうえで役立つ場合があります。
外出が難しい場合は、起きた後にカーテンを開け、室内に自然光を取り入れるだけでも構いません。光がつらい場合や、主治医から生活上の指示を受けている場合は、その指示を優先してください。
短い外出から試す
外出しても体調が大きく崩れない段階になったら、玄関先に出る、ポストまで行く、近所を短時間歩くなど、小さな範囲から試します。
時間や距離を一律に決める必要はありません。疲れが強く出た場合は活動量を戻し、主治医に相談しましょう。
生活記録をつける
起床時刻、就寝時刻、食事、活動内容、気分、疲れなどを簡単に記録すると、体調の変化を振り返りやすくなります。
細かく書くことが負担になる場合は、「よい・普通・つらい」の3段階だけでも構いません。通院時に主治医へ見せることで、活動量や復職準備について相談しやすくなります。
復職に向けた体力と生活リズムの戻し方
決まった時間帯に活動する練習
主治医から活動を増やしてよいと言われたら、午前中に着替える、決まった曜日に外出するなど、無理のない予定から始めます。
図書館やカフェなどで過ごす方法もありますが、長時間滞在する必要はありません。集中できた時間だけでなく、帰宅後や翌日にどの程度疲れが残ったかも確認しましょう。
通勤や業務に近い活動を試す
復職が近づいた段階では、会社の制度や主治医の意見に応じて、通勤経路を移動する練習や、読書、パソコン作業などを試す場合があります。
会社によっては、試し出勤や段階的な勤務時間の調整を行うこともあります。自己判断で職場へ行くのではなく、会社と事前に相談してください。
リワーク支援を検討する
リワーク支援とは、うつ病などで休職している方の職場復帰を支援するプログラムです。医療機関や地域障害者職業センターなどで実施される場合があります。
生活リズムの調整、集中力や作業能力の確認、ストレスへの対処、会社との調整など、実施機関によって支援内容は異なります。利用できるかどうかは、主治医、会社、地域の支援機関へ確認しましょう。
就労継続支援B型などの利用には条件がある
就労継続支援B型は、通常の事業所に雇用されることが難しい障害のある方に、就労や生産活動の機会などを提供する障害福祉サービスです。雇用契約は結びません。
うつ病で休職している方が、一般的な復職練習として自由に利用できるサービスではありません。
休職中に復職支援として就労系障害福祉サービスを利用する場合は、企業や医療機関、地域の支援機関による復職支援が難しいこと、本人・企業・主治医が利用を適当と判断していることなど、複数の要件があります。最終的には市区町村による支給決定が必要です。
利用を検討する場合は、主治医、勤務先、市区町村の障害福祉窓口、相談支援事業所などへ事前に相談しましょう。
回復期の1日の過ごし方の例
次は、少しずつ活動を戻す時期の一例です。すべて行う必要はなく、主治医の指示とその日の体調を優先してください。
朝
- 無理のない時間に起きる
- カーテンを開けて室内に光を入れる
- 水分や食べられるものを取る
- 余裕があれば着替える
日中
- 音楽、マンガ、動画などを短時間楽しむ
- 体調がよければ簡単な家事を一つ行う
- 玄関先や近所へ短時間出る
- 疲れたら休憩する
夕方から夜
- 活動量を少しずつ減らす
- 食べられる範囲で夕食を取る
- 照明やスマートフォンの光を強くしすぎない
- 眠れなくても自分を責めず、主治医に経過を伝える
予定を守れなかった日があっても、失敗ではありません。体調を確認しながら、続けられる範囲を探すことが大切です。
早めに医療機関へ相談したい状態
休職中に次のような状態が見られる場合は、予定された診察日を待たず、主治医や医療機関へ相談してください。
- 死にたい気持ちや、自分を傷つけたい気持ちがある
- 一人でいることに危険を感じる
- 水分や食事がほとんど取れない
- 眠れない状態が続いている
- 不安や焦りが急に強くなった
- 薬を多く飲んでしまった
- 普段と比べて急に活動的になり、ほとんど眠らなくても平気に感じる
緊急性が高いと感じる場合は、一人で抱え込まず、家族や身近な人に伝え、医療機関や救急へ助けを求めてください。
まとめ|やることがない時間も焦らず過ごそう
うつ病で休職中に「やることがない」と感じることはありますが、その感覚だけで回復したかどうかを判断することはできません。
症状が強い時期は休養を優先し、体調が安定してきたら、主治医と相談しながら負担の少ない活動を少しずつ取り入れます。
復職を考える段階では、睡眠と覚醒のリズム、集中力、通勤に必要な体力、活動後の疲れなどを確認し、主治医、会社、産業医などと計画を立てることが大切です。
予定どおりに過ごせない日があっても、自分を責める必要はありません。体調の変化を医療機関へ伝えながら、自分に合ったペースで療養と復職準備を進めていきましょう。
福岡市博多区の 就労継続支援A型・B型事業所 「パラスポ」のご案内
当事業所では、「無理のない通所」を第一に考え、 一人ひとりの体調や目標に合わせたサポートを行っています。
- ✓ 海が見えるリラックスできるロケーション
- ✓ 社会復帰からの一般就労をしっかりサポート
- ✓ 通所も安心の「送迎あり」(※B型利用者のみ)
- ✓ 美味しい「昼食提供あり」(※条件あり)
選べる作業内容
- AIを使用したWEBコンテンツ制作
- PCデータ入力
- リラクゼーションセラピスト
- 和菓子などの販売、接客業務
- 食器洗浄などの軽作業
- PCデータ入力
- 室内で座って行える軽作業
「自分に合っているか不安…」という方も、まずは事業所の雰囲気を見学してみませんか?
ご家族や支援機関の方と同伴での見学・体験も大歓迎です。
〒812-0021
福岡市博多区築港本町13-6
ベイサイドプレイス博多C館3F
Mail:paraspoism002@gmail.com


コメント