「仕事に向いていない」は本当?障害のある方が自分に合う働き方を見つけるヒント

就労支援について

「自分は働くことに向いていないのかもしれない」と感じていませんか。

ミスが重なる、人間関係でつまずく、疲れてしまって長く続かない。そうした経験が積み重なると、「自分は仕事に向いていないんだ」と思えてくることがあります。障害のある方がこのような悩みを抱えるのは、決して珍しいことではありません。

ただ、立ち止まって考えてみると、「自分が向いていない」のではなく、「仕事内容」「職場環境」「働く時間や量」「受けられる支援の有無」が自分に合っていなかった可能性もあります。

この記事では、「なぜうまくいかなかったのか」を整理しながら、自分に合う働き方を見つけるためのヒントを解説します。

「向いていない」と感じる背景にあるもの

仕事がうまくいかないとき、多くの人は真っ先に「自分のせいだ」と考えてしまいます。しかし、働き方の問題は「個人の能力」だけで決まるものではありません。

たとえばミスが多い場合、作業の手順が口頭だけで説明されていた、確認するタイミングや方法がわからなかった、という環境的な要因が背景にあることもあります。人間関係が苦手な場合も、職場のコミュニケーションスタイルが自分の特性と合っていなかっただけかもしれません。

疲れやすくて長続きしない場合は、フルタイムや固定シフトなどの働き方に無理に合わせようとして、体や心への負担が大きくなっていた可能性もあります。

「自分は仕事ができない」と結論づける前に、「どんな状況で、どんな仕事をしていたのか」を振り返ることが、次の働き方を考える手がかりになります。

仕事がうまくいかない原因を4つの視点で整理する

仕事の内容が合っていなかった可能性

どのような人にも、得意なことと苦手なことがあります。障害の特性によって、負担を感じやすい作業や、取り組みやすい作業が分かれる場合もあります。

たとえば注意がそれやすい特性がある場合、細かい照合作業や複数の工程を同時に管理する仕事は負担が大きくなりやすいことがあります。一方で、手順が決まった繰り返し作業や、体を動かす作業のほうが取り組みやすいと感じる方もいます。

ただし、特性の現れ方には個人差があります。「この職種は向いていない」と決めつけるのではなく、「この作業の種類や業務の進め方が、自分の特性と合っていなかったかもしれない」と考えると、次に試す仕事を選びやすくなります。

職場の環境が合っていなかった可能性

職場環境は、働きやすさに大きく影響します。騒がしい空間が苦手、蛍光灯の光がつらい、急な予定変更に対応しにくい、人が多いと緊張してミスが増えやすいなど、感覚面や認知面で困りごとが出る方もいます。

このような場合、本人の困りごとに応じて働きやすくするための調整、いわゆる合理的配慮の有無が、働きやすさに関わることがあります。

配慮がないまま働こうとすると、本人の努力とは別に、環境的な理由でうまくいかないことがあります。同じ方でも、配慮がある職場とそうでない職場では、働きやすさが変わる場合があります。

働く時間や量が合っていなかった可能性

週5日・1日8時間という働き方が、すべての方に合うとは限りません。体力の波がある方、午前中に調子が出にくい方、疲労が翌日以降に出やすい方などは、一般的な勤務時間に合わせること自体が大きな負担になる場合があります。

短時間勤務から始める、週の勤務日数を少なめに設定する、休憩の取り方を工夫するなど、働く時間や量を調整することで、続けやすくなるケースもあります。

支援がなかった、または支援が合っていなかった可能性

仕事を続けるうえで、誰かのサポートが必要になる場面は多くあります。サポートが十分にない環境では、困ったときに相談できず、仕事を続けることが難しくなる場合があります。

支援の形はさまざまです。職場内でのサポートがある場合もあれば、就労支援機関のスタッフが間に入る場合、定期的に状況確認をしてくれる場合もあります。

「自分にはどんなサポートがあると動きやすいか」を言葉にしておくと、次の職場や支援機関に相談しやすくなります。

「向いていない」と決めつけてしまいやすい場面と誤解

仕事経験の中で「自分はダメだ」と感じやすい場面には、いくつかのパターンがあります。

ひとつは、ある職場でうまくいかなかった経験を「すべての仕事」に当てはめてしまうことです。1つの職場での経験は、あくまでその環境や仕事内容での出来事です。職場や業務内容が変わることで、同じ方でも働きやすさや評価が変わることがあります。

もうひとつは、「うまくいかなかった理由」を本人だけで考え続けてしまうことです。自己分析には限界があります。特性の理解や職場環境の整理は、支援者や相談員と一緒に考えることで、新たな気づきを得やすくなる場合があります。

また、「長続きしない=意志が弱い」と自分を責めてしまう方もいます。しかし、続けられなかった背景に体調管理の難しさや環境的な問題があるなら、それは意志だけの問題とは限りません。

大切なのは、続けられなかったことを責めることではなく、「どんな条件があれば続けやすかったか」を考えることです。

自分に合う仕事・環境を見つけるための考え方

「できること」より「続けやすかったこと」を振り返る

自分に合う仕事を考えるとき、「何が得意か」を無理に探そうとすると、行き詰まることがあります。その場合は、「過去にやってみて、それほど苦ではなかったこと」「指摘されることが少なかったこと」「集中しやすかった状況」を思い出してみるとよいでしょう。

たとえば、作業の手順が決まっていると動きやすかった、屋外での仕事は気分が楽だった、1対1での対応なら落ち着いて話せた、という経験も手がかりになります。

小さな経験でも、自分に合う働き方を考える材料になります。

「働く条件」を言葉にしておく

仕事の内容だけでなく、「どんな条件なら働きやすいか」を整理しておくことも大切です。たとえば、次のような視点があります。

  • 静かな環境がよいか、ある程度の音がある環境がよいか
  • 一人での作業が多いほうがよいか、チーム作業が多いほうがよいか
  • スケジュールが固定されているほうがよいか、柔軟に変えられるほうがよいか
  • 口頭説明がよいか、メモや手順書があるほうがよいか
  • 短時間から始めたいか、一定時間まとめて働きたいか

「この条件があると働きやすい」というイメージが具体的になるほど、仕事選びや支援機関への相談がしやすくなります。

支援者と一緒に整理する

自分の特性や合う環境を一人で考え続けるのがつらいときは、就労支援を行うスタッフや相談員と一緒に整理する方法もあります。

客観的な視点が加わることで、自分では気づきにくかった傾向や、次に試しやすい働き方が見えてくることがあります。

就労継続支援A型・B型という選択肢

一般就労への不安が大きい場合や、自分に合う仕事をもう少し確かめてみたい場合には、就労継続支援A型・B型という選択肢があります。

就労継続支援A型は、原則として雇用契約を結び、支援を受けながら働く障害福祉サービスです。雇用契約に基づいて働くため、最低賃金などの労働関係法令が関係します。支援員によるサポートを受けながら、働く経験を積める点が特徴のひとつです。

就労継続支援B型は、雇用契約を結ばず、就労の機会や生産活動の機会を通じて、働く力や生活リズムを整えていく障害福祉サービスです。体力や体調に波がある方、まずは通所や作業に慣れるところから始めたい方が利用する場合があります。B型では賃金ではなく、作業に応じた工賃が支払われます。工賃額や作業内容は事業所によって異なります。

どちらが合うかは、一概には言えません。A型を経験してから一般就労を目指す方もいれば、B型からA型へと段階を踏む方もいます。本人の体調、生活リズム、希望する働き方、支援の必要度によって、合うサービスは異なります。

なお、就労継続支援A型・B型の利用には、原則として障害福祉サービス受給者証が必要です。受給者証は、障害福祉サービスを利用するために市区町村から交付されるものです。申請の流れや必要書類は自治体や本人の状況によって異なるため、詳細はお住まいの市区町村の障害福祉窓口や相談支援事業所に確認しましょう。

「仕事に向いていない」と感じたときに相談できる場所

仕事のことで悩んだとき、相談できる窓口はいくつかあります。

障害者就業・生活支援センター、通称「なかぽつ」は、就労に関することだけでなく、生活面の課題もあわせて相談できる機関です。働く準備、職場定着、生活リズム、関係機関との連携などについて相談できる場合があります。

市区町村の障害福祉窓口や相談支援事業所に相談することも、自分に合う働き方や利用できるサービスを整理するうえで選択肢になります。

一般就労を目指したい場合には、就労移行支援を利用する方法もあります。就労移行支援は、一般就労を目指す方に対して、職業訓練、職場探し、就職活動、就職後の定着に向けた支援などを行う障害福祉サービスです。

また、かかりつけの精神科や心療内科に医療ソーシャルワーカーが在籍している場合は、福祉サービスや相談先について相談できることがあります。ただし、配置状況は医療機関によって異なります。

「どこに相談すればよいかわからない」という場合は、まずお住まいの市区町村の障害福祉窓口や相談支援事業所に問い合わせてみると、状況に応じた相談先を案内してもらえることがあります。

まとめ

「仕事に向いていない」という感覚は、「合わない仕事・合わない環境・合わない条件で働いていた」ことのサインである可能性があります。自分の特性を否定するのではなく、「どんな条件があれば動きやすいか」を少しずつ言葉にしていくことが、次の一歩につながります。

就労継続支援A型・B型は、一般就労に不安がある方や、段階的に働く経験を積みたい方にとって、選択肢のひとつになります。ただし、利用できるサービスや手続きは、本人の状況や自治体によって異なるため、支援機関と相談しながら確認することが大切です。

一度うまくいかなかった経験は、「自分には無理」という結論ではなく、「次に何を変えると働きやすいか」を考えるための材料にできます。悩みを一人で抱え込みすぎず、支援者や相談機関を活用しながら、自分のペースで次の環境を探していきましょう。

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【B型】の仕事内容
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〒812-0021
福岡市博多区築港本町13-6
ベイサイドプレイス博多C館3F
Mail:paraspoism002@gmail.com

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