「体調の波があり、今日は仕事を続けられるか不安」「休むと周囲に迷惑をかけるのではないか」と悩んでいませんか。
精神障害や精神疾患による不調は外から分かりにくく、自分でも休むべき状態なのか判断しにくいことがあります。しかし、必要な休養や負担の調整を行うことは、逃げや甘えと決めつける必要はありません。
この記事では、仕事や就労継続支援の通所を休むか考える目安、無理を続けた場合に起こり得ること、休む際の連絡方法について解説します。
- 仕事や通所を休むか考える4つの目安
- 体調が悪いまま無理を続けた場合に起こり得ること
- 職場や事業所へ連絡するときのポイント
- 休んだ後に仕事や通所を再開する際の考え方
なお、一般企業での勤務、就労継続支援A型での就労、就労継続支援B型などへの通所では、契約関係や休みの扱いが異なります。
就労継続支援A型は雇用契約に基づいて働くサービスですが、B型は雇用契約を結ばず、就労や生産活動の機会を提供するサービスです。欠勤・欠席時の連絡方法や利用時間については、勤務先や利用している事業所のルールを確認してください。
精神障害があると仕事や通所を休む判断に迷いやすい理由
精神障害や精神疾患の症状の現れ方は人によって異なります。同じ人でも、日によって体調や集中力が変化することがあります。
休む判断に迷いやすい主な理由を見ていきましょう。
休むことに罪悪感を抱くことがある
仕事や通所を休むと、「怠けていると思われるのではないか」「また休んでしまった」と自分を責めてしまうことがあります。
しかし、発熱などの身体症状がなくても、気分の落ち込み、強い不安、睡眠の乱れ、著しい疲労感などによって、仕事や日常生活に支障が出ることがあります。
休養が必要かどうかは、外見だけで判断できません。普段と比べた体調の変化や、主治医から受けている指示を踏まえて考えることが大切です。
周囲に迷惑をかけるのではないかと不安になる
急に休むことで、同僚や他の利用者、支援員などへ負担をかけるのではないかと心配する方もいます。
一方で、体調が悪いまま作業を続けると、ミスが増えたり、安全に作業できなくなったりする可能性があります。無理をして出勤・通所することが、必ずしも周囲のためになるとは限りません。
休むか迷う場合は、職場の上司や事業所の支援員へ現在の状態を伝え、休養、遅刻、早退、作業量の調整などを相談する方法があります。
休むための明確な数値基準がない
精神的な不調には、体温のように誰にでも共通する明確な数値基準がありません。
そのため、「これくらいなら頑張れる」「他の人も疲れている」と考え、普段との違いを見過ごしてしまうことがあります。
休むかどうかを判断するときは、一つの症状だけではなく、症状の強さ、続いている期間、仕事や生活への影響を確認しましょう。
体調の波が周囲に伝わりにくい
前日は問題なく働けていても、翌日に気分が大きく落ち込んだり、起き上がれなくなったりすることがあります。
外見からは体調の変化が分かりにくいため、周囲から理解されないと感じる場合もあるでしょう。
周囲にすべてを詳しく説明する必要はありませんが、必要に応じて「睡眠が取れていない」「集中が難しい」など、仕事や通所に影響している状態を簡潔に伝えると相談しやすくなります。
体調が悪いまま仕事や作業を続けた場合に起こり得ること
体調が悪い状態で無理を続けたからといって、必ず症状が悪化するとは限りません。しかし、心身への負担が重なり、仕事や生活への影響が大きくなる場合があります。
疲労や睡眠の乱れが強くなることがある
十分に休めない状態が続くと、疲れが抜けにくくなったり、寝つけない、途中で目が覚める、朝起きられないといった睡眠の変化が現れたりすることがあります。
食欲の低下、頭痛、胃の不快感、動悸などの身体症状が現れる場合もあります。ただし、身体症状には精神的な不調以外の原因も考えられるため、症状が強い場合や長引く場合は医療機関へ相談してください。
集中力や作業の正確性が低下することがある
心身の調子が悪いと、説明が頭に入りにくい、手順を忘れる、普段よりミスが増えるといった変化が起こる場合があります。
機械の操作、車の運転、高所での作業など、安全に関わる仕事をしている場合は特に注意が必要です。作業を続けることが難しいと感じたら、早めに上司や支援員へ伝えましょう。
欠勤や通所できない期間が長くなる場合がある
不調の程度によっては、無理を続けることで生活リズムがさらに乱れ、仕事や通所へ戻るまでに時間が必要になる場合があります。
一方で、必要な休養期間は人によって異なります。「何日休めばよい」と一律には決められません。症状が続く場合は、主治医や医療機関へ相談し、休養期間や活動量について確認することが大切です。
不安や自責感が強くなることがある
体調が悪いときは、本来できていた作業でも思うように進まないことがあります。その結果、「簡単なこともできない」と自分を責めてしまう方もいます。
体調によって作業量や集中力が変わることはあります。一時的にできないことだけで、自分の能力や価値を判断しないようにしましょう。
仕事や通所を休むか考える4つの目安
次の4つは、仕事や通所を休むことや、医療機関・職場・支援者への相談を検討する目安です。
ただし、以下に当てはまれば必ず休むべきという意味ではありません。普段の状態との違いや、症状が続いている期間も含めて判断してください。
1.睡眠や食事が大きく乱れている
次のような状態が続いている場合は、心身へ負担がかかっている可能性があります。
- ほとんど眠れない日が続いている
- 昼夜逆転が強くなり、朝起きられない
- 寝ても疲れが取れない
- 食欲が大きく低下している
- 食事や水分を十分に取れない
仕事や通所を休むだけで改善するとは限りません。食事や水分が取れない状態、強いめまい、意識がぼんやりするなどの症状がある場合は、早めに医療機関へ相談しましょう。
2.強い不安や気分の落ち込みがある
強い不安や気分の落ち込みにより、身支度ができない、布団から出られない、人と話すことが難しいといった状態は、休養や医療機関への相談を検討する目安になります。
症状を我慢するべきか一人で判断せず、可能であれば主治医や支援者へ状態を伝えてください。
3.作業への集中や安全の確保が難しい
次のような変化がある場合は、作業の継続が適切か確認しましょう。
- 説明を聞いても内容を理解できない
- 普段はしないミスを何度も繰り返す
- 強い眠気やふらつきがある
- 判断力が低下していると感じる
- 作業中の事故につながる不安がある
仕事の内容によっては、短時間の休憩、作業変更、早退などで対応できる場合もあります。自分だけで決めず、上司や支援員へ相談してください。
4.主治医や支援者から休養・負担調整を提案されている
主治医から休養を指示されている場合は、その内容を確認し、職場や事業所と今後の対応を相談しましょう。
支援員や家族から「いつもと様子が違う」「顔色が悪い」「ミスが増えている」と言われた場合も、自分では気づいていない変化がないか振り返るきっかけになります。
ただし、支援員は医学的な診断を行う立場ではありません。症状の程度や治療に関する判断が必要な場合は、主治医や医療機関へ相談してください。
休養だけでなく早めの医療相談が必要な状態
次のような状態がある場合は、仕事や通所を休むかどうかだけで判断せず、主治医や医療機関へ早めに相談してください。
- 死にたい気持ちや自分を傷つけたい衝動がある
- 食事や水分をほとんど取れない
- 眠れない状態が続き、判断力が大きく低下している
- 現実にはない声が聞こえるなど、普段と大きく異なる状態がある
- 薬の副作用が疑われる強い症状がある
- 自分や周囲の安全を保てないおそれがある
自分や周囲の命に関わる差し迫った危険がある場合は、家族や支援者へ助けを求め、必要に応じて救急要請を検討してください。
仕事や通所を休むときに大切な対応
勤務先や事業所のルールに沿って早めに連絡する
休むことを決めたら、勤務先や事業所で決められている方法に沿って連絡します。
連絡の期限や手段は、勤務先や事業所によって異なります。電話、メール、チャットなどのうち、どの方法が認められているか事前に確認しておくと安心です。
体調が悪いときに自分で連絡することが難しい場合は、家族からの連絡が可能かどうかも確認しておきましょう。
体調は簡潔に伝える
欠勤・欠席の連絡で、病名や詳しい事情をすべて説明する必要があるとは限りません。
例えば、次のように簡潔に伝えられます。
- 「体調不良のため、本日は休ませてください」
- 「昨夜から眠れておらず、今日は通所が難しい状態です」
- 「気分の落ち込みが強いため、本日は休みます」
- 「主治医から休養するよう言われているため、今後について相談したいです」
診断書などの提出が必要かどうかは、勤務先の就業規則や事業所のルールによって異なります。
次に連絡する時期を確認する
当日だけ休むのか、翌日以降の予定が分からないのかを伝えます。
今後の見通しが立たない場合は、「明日の朝にあらためて連絡します」「受診後に状況を伝えます」など、次に連絡するタイミングを決めておくと双方の不安を減らせます。
休んだ自分を責めすぎない
休養中も仕事や通所のことを考え続けると、十分に休めない場合があります。
休むことは、働く意欲がないことや能力がないことを意味しません。今後の生活や就労を安定させるために、体調に応じた調整が必要になることもあります。
ただし、休んでも不調が続く場合は、自己判断で休養を延ばし続けるのではなく、主治医や支援機関へ相談してください。
仕事や通所を再開するときに相談したいこと
仕事や通所を再開するタイミングは、「一日だけ気分がよかった」という理由だけで決めるのではなく、生活全体の状態を確認することが大切です。
- 睡眠や起床時間が大きく乱れていないか
- 食事や身支度ができているか
- 外出できる程度の体力があるか
- 会話や簡単な作業へ集中できるか
- 主治医から受けている指示と合っているか
再開に不安がある場合は、次のような調整が可能か勤務先や事業所へ相談します。
- 勤務時間や利用時間を一時的に調整する
- 作業量や業務内容を見直す
- 休憩を取りやすい環境にする
- 負担になっている作業を整理する
- 体調が悪化したときの連絡方法を決めておく
実際に対応できる内容は、雇用契約、就業規則、個別支援計画、事業所の人員体制などによって異なります。
在宅での就労や訓練についても、希望すれば自動的に利用できるものではありません。事業所が在宅支援を実施していることに加え、本人の状況や支援効果について市町村の判断を受け、定められた要件を満たす必要があります。
体調の変化を記録しておく方法もある
休むかどうかの判断が難しい場合は、毎日の状態を簡単に記録する方法があります。
- 就寝時間と起床時間
- 食事を取れた回数
- 気分や不安の程度
- 疲労感や身体症状
- 仕事や作業で困ったこと
- 服薬後に気になった変化
記録は自分を評価するためではなく、普段との違いを把握し、主治医や支援者へ説明しやすくするために行います。
記録すること自体が負担になる場合は、毎日続ける必要はありません。無理のない範囲で活用しましょう。
まとめ
精神障害や精神疾患による不調があると、仕事や通所を休むべきか迷うことがあります。
睡眠や食事の大きな乱れ、強い不安や気分の落ち込み、集中力の低下、安全に作業することが難しい状態などは、休養や相談を検討する目安です。
ただし、休む必要性や期間は人によって異なります。勤務先や事業所のルールを確認したうえで、必要に応じて主治医、上司、支援員などと相談してください。
必要な休養や負担の調整を行うことは、逃げや失敗ではありません。自分の状態を把握し、周囲へ相談しながら無理のない方法を選ぶことも、安定して生活や就労を続けるための大切な力です。
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